フキハラってなに?あなたも無意識に相手を不快にさせてるかも
今回は「フキハラ」について話していきます。最近、職場や家庭などで耳にすることが増えているこの言葉。
相手を不快にする行動を、あなたも無意識にしているかもしれません…!
詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください✨
フキハラ(不機嫌ハラスメント)とは何か?
「フキハラ(不機嫌ハラスメント)」とはモラルハラスメントの一種です。
これは「不機嫌な態度」を利用して他者に圧力をかけたり、支配的な立場を取る行為を指します。
言葉や行動で攻撃するのではなく、無言の圧力や不機嫌な雰囲気を漂わせることで、他者に不快感を与えることが特徴です。
今回は『職場内でのフキハラ』にフォーカスしていきますが、家庭内や学校など、日常生活でも起こりうる身近な問題なのです。
フキハラの具体例
フキハラは、さまざまな場面で発生します。どのような形で現れるのか、『職場内での具体例』を挙げてみましょう。
・不機嫌そうな表情でプレッシャーを与える
・やり取り中にため息をつく
・聞こえるように舌打ちをする
・書類などの物品をたたきつけるように置く
・大きな音を立ててタイピング
・仕事を頼むと嫌な顔をする
・挨拶を返さない
・聞こえないふりをして反応しない
このように、フキハラはたくさんの場面に存在しています。
またフキハラの怖いところは、自覚がないまま、加害者となってしまうリスクがあることです。
フキハラが起こる原因
フキハラは、さまざまな心理的・身体的要因が絡み合って発生します。ここではフキハラが起こる原因について解説します。
体調不良
睡眠不足や病気などの体調不良は、精神的な余裕を奪い、イライラや不機嫌な態度を引き起こすことがあります。例えば、連日の残業や休日出勤が続くと、睡眠不足に陥りやすくなります。翌日には疲労が蓄積し、不機嫌な態度を取ってしまうことがあります。
ストレス
仕事や人間関係、日常生活のストレスが蓄積すると、感情のコントロールが難しくなり、不機嫌な態度として表れることがあります。例えば、仕事がスケジュール通りに進まない、努力しているのに成果が上がらないなど、ビジネスシーンではさまざまな原因からストレスがたまるものです。その結果、精神的な余裕がなくなり、周囲に不機嫌ハラスメントをしてしまうケースがあります。
自身の評価への不満
自分が正当に評価されていないと感じると、不満や劣等感が生じ、それが不機嫌な態度として現れることがあります。評価されていないことで、「自分だけが…」と思ってしまうなどネガティブな感情に拍車がかかり、不機嫌になってしまうこともあります。
不機嫌のアピール
自分の不満や要求を直接伝えず、不機嫌な態度で周囲に察してもらおうとする行為です。これは、精神的に未熟で自己中心的な考え方をする人に多く、子どもの頃に同じような振る舞いをして、両親をはじめ周りに気遣ってもらった体験を引きずっているケースが考えられます。
相手への支配欲
他者をコントロールしたい、優位に立ちたいという欲求から、不機嫌な態度を取ることで相手に圧力をかける行為です。例えば、上司が部下を自分の思い通りに動かしたいという欲求から、不機嫌な態度を取り、自分に逆らえば居心地が悪くなると暗黙の圧力をかけることがあります。その結果、部下が委縮し、創造性や自主性を失う可能性があります。
社会的要因や文化的背景
日本の社会的・文化的背景も、無意識のフキハラを助長している場合があります。
日本の文化では、言葉にしなくても相手の意図を汲み取る「空気を読む」ことが重視されます。このため、加害者は「不機嫌な態度を示せば、相手が察して動くだろう」と期待しがちなのです。
フキハラが企業にもたらす影響
フキハラは、個人間の問題にとどまらず、組織全体に深刻な影響を与える可能性があります。職場における不機嫌な態度が繰り返されると、企業の雰囲気や業績、社員の離職率に直接的に影響を及ぼしてしまいます。以下では、具体的な影響について掘り下げていきます。
1. 職場環境の悪化
不機嫌ハラスメントが放置されると、職場の雰囲気が重くなり、心理的安全性が損なわれます。心理的安全性とは、「自分の意見を自由に発言できる」「ミスを恐れずに行動できる」といった安心感を指しますが、不機嫌な態度が蔓延すると以下のような問題が起こります。
・コミュニケーションの停滞
社員が上司や同僚の機嫌を伺うようになり、率直な意見交換が減少します。結果として、風通しの悪い職場になってしまいます。
・チームワークの崩壊
チーム内で一部のメンバーが不機嫌な態度を取ることで、メンバー同士の信頼感が損なわれ、連携が取りづらくなります。
2. 生産性の低下
不機嫌ハラスメントによる精神的な圧力が社員に与える影響は大きく、仕事の生産性の低下につながります。
・パフォーマンスへの影響
不機嫌な態度を受けた社員は萎縮し、能力を十分に発揮できなくなります。「また怒られるかもしれない」「自分が責められるのでは」といった不安が、仕事の効率を低下させる原因となります。
・意欲喪失
不機嫌な態度が続く環境では、社員のモチベーションが低下します。「何をやっても評価されない」という思いから、積極的な行動が減少します。
3. 離職率の増加
不機嫌ハラスメントが頻繁に起こる職場では、社員のストレスが高まり、離職率が上昇する傾向があります。
・優秀な人材の流出
特に、ストレス耐性が低い若手社員や優秀な人材ほど、ハラスメントに対する敏感さが高く、不機嫌な態度が常態化している職場から離れていきます。これにより、組織の競争力が低下します。
・採用コストの増加
離職率が上がることで、新たな人材を採用・育成するためのコストが増大してしまうのです。
4. 企業ブランドの低下
不機嫌ハラスメントが外部に漏れると、企業イメージにダメージを与えてしまいます。
・社員の口コミやSNSでの発信
近年では、社員が職場環境についてSNSや口コミサイトで発信する機会が増えています。不機嫌ハラスメントが横行している職場の悪評が広がると、企業のブランドイメージが低下し、採用活動にも悪影響を及ぼします。
・社会的信用の喪失
働きやすい環境を提供している企業と見なされなくなることで、取引先や顧客からの信頼を失う可能性があります。
フキハラの対処法と予防策
不機嫌ハラスメントに対処するためには、被害者が適切に対応し、加害者が自分の行動を見直すことが重要です。以下に具体的な対策を挙げます。
被害者の対処法
・距離を置く
不機嫌ハラスメントを受けた場合、まずは加害者と適度な距離を保つことが有効です。物理的な距離だけでなく、精神的にも相手に影響されすぎないように心がけましょう。
・過度な機嫌を取ろうとせず、冷静に対応する
感情的に反応しないことが大切です。過度に反応することで依存を生んでしまい悪循環となってしまいます。
・信頼できる第三者に相談する
職場なら人事部門や信頼できる同僚、家庭や学校なら友人やカウンセラーなどに相談することが、精神的な支えになるだけでなく、解決の糸口になるかもしれません。
周囲のサポート
・被害者を孤立させない
不機嫌ハラスメントを受けている人が孤立しないよう、周囲が積極的に声をかけたりサポートすることが重要です。
・職場や学校の環境改善
ハラスメントが生じにくい風通しの良い環境を作ることが、予防策として効果的です。たとえば、職場での定期的な研修や、学校でのいじめ防止教育などが挙げられます。
加害者が気をつけるべきこと
・自己認識を高める
自分が不機嫌な態度を取ることで周囲に与える影響について、意識することが大切です。勤務後に一日を振り返り、自分の行動や感情を客観的に見つめ直す習慣を持つと良いでしょう。
・適切な感情表現を学ぶ
怒りや不満を溜め込まず、建設的に表現する方法を学ぶことが必要です。心理療法やカウンセリングを活用するのも有効な手段です。
まとめ~健全なコミュニケーションを目指して~
不機嫌ハラスメントは、言葉に表されない「無言の圧力」として、知らず知らずのうちに多くの人間関係を悪くしてしまいます。この問題を解決するためには、加害者、被害者、そして周囲の人々がそれぞれ適切に行動することが大事です。
特に重要なのは、相手に対する思いやりと、感情をコントロールする力を身につけることです。私たち一人ひとりが、不機嫌さを相手にぶつけることなく、建設的にコミュニケーションを取る習慣を持つことで、不機嫌ハラスメントのない社会を実現する第一歩となるはずです。
いま職場や学校、家庭内でのフキハラに悩んでいる方へ。今回の記事を見て少しでも、何かしらの手助けになっていれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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